【 異世界トリップバトン! 】


再びΞさん宅【Rising Blue Lightning】から頂いて参りましたー!
これって「!」までがバトンタイトルで良いんですよ…ね?
素敵なお題にどきどきです(笑)

前の人の指定した世界にトリップして下さい。
行き先→
ACE COMBAT ZERO - THE BELKAN WAR -

1.目が覚めるとそこは?
「…はい?」
ふと意識が覚醒してみれば、そこは…―――空の上、だった。
【小説ちっくな小話そのいち】
正確には空を飛ぶ機体の中ではあるのだけれど。
≪どうかしたか?≫
聞こえてきた無線の声は、ひどく聞き覚えのある声。
いやまて。エスコンZEROのピクシーの声が何故聞こえる。
思わず頭を抱えそうになって、自分がきちんとヘルメットやらを被っていることにようやく気付いた。
なんですかこれはー!!?
混乱するあたしに気付いているのか居ないのか、ピクシーが続ける。
≪おっと、敵さんのお出ましだ。≫
敵って、敵ってなんですかああああ!
≪行こうか。足手纏いになるなよ、相棒。≫
そんな台詞を爽やかに言い放って、ピクシーの機体が視界に入り込んだ。
本当に片羽が赤い。
妙なところに感心しつつ、ハタ、と気付いた。
相棒って、言ったよね、今。
「ちょっと待って何が何ーーーー!?」
叫ぶあたしを気遣う人は誰もいなく。
テンパるあたしも巻き込んで、そこは戦場になるのであった。


2.貴方には不思議な力が備わっていました。
戦闘機…パイロット能力!?
【小説ちっくな小話そのに】
ちょっと待て。
先程から始まった戦闘にちゃっかり参加しつつ、あたしは思わず遠い目になった。
あたしは戦闘機の操縦経験はおろか、そもそも普通免許証さえ取得していないはずなのだが、何故か、そう、何故か戦闘機を操縦している。
頭で考えるよりも先に体が動く感覚。
ええと、これって、異世界トリップにおける王道サポート設定ってヤツ?
深く考えると墜とされそうで怖いのでご都合主義に任せておこう。うん。
ご都合主義ついでに、あたしやピクシーが墜とした敵の人も生きてれば良いなあ、なんて思っておく。人殺しって嫌だしー。
なんとか戦闘も終わって、基地に帰還する。
…ともかく、ピクシーに話してみるしかないよね。
機体から降りて、ピクシーの元に向かう。
丁度ピクシーも機体から降りてきたところだった。
あたしを視界に収めて、片手を上げる。
「よう、中々の腕前だったな。」
「それは、どうも。ええと、その…話があるんだけど…。」
「なんだ?…というか、いつまでヘルメットを被ってるんだ?」
ピクシーに指摘されてようやく気付いた。
通りで頭が重いと…!
テンパり過ぎて外すのも忘れていたらしい。
慌ててヘルメットを外すと、あたしの黒髪が風に流れた。
驚いたようにピクシーが目を見開く。
「いつのまに髪を染めたんだ?」
「え?あ、えーと…話っていうのはこのことなんですが。」
気まずい笑みを浮かべたまま、あたしは先程からのこの異世界トリップっぽい事態についてピクシーに話し始めた。


3.何処からどう見ても不審人物な貴方は、その世界の最高責任者と面会する事に。どうします?
なにやら最高責任者と面会することになったらしい。
ともかくなんとかして信じてもらうかここに置いてもらうようにしないと。
【小説ちっくな小話そのさん】
とは言え、ここに居る最高責任者と言えば基地司令官なのだけれど。
途中鏡を見せてもらったところ、どうも髪の色以外はあたしと違う人っぽかった。
もしかしたら、あたしと入れ替わりになってるらしいサイファーのものなのかも。
だからこそ、初対面の時にピクシーは髪の色しか言及してこなかったのだろう。
そのピクシーはと言えば、難しい顔であたしの前を歩いている。
「心配?」
あたしの掛けた声に、ピクシーは歩きながら振り返った。
「いやほら、サイファーさん、のこと。」
「…そう、だな。」
少し思案した後に、ピクシーは頷いた。
ちなみに、この世界のサイファーは女の子らしい。
巷で噂のおにゃのこサイファーに会えないのは非常に勿体無い気がしてならないが、まあ、仕方ない。
今は自分の身の安全とかを確保しなければ…!
「…そういえば、正式な自己紹介もまだだったな。」
「え、あー、そうですね。」
「俺はラリー・フォルク、此処じゃあピクシーって呼ばれてる。アンタは?」
ピクシーの問いに、あたしは自分の名前を答えた。
しばらく反芻した後、「珍しい響きの名前だな」と、ピクシーは言った。
そりゃまあ、日本語だしなあ。
でもあたしの名前を反芻するピクシーはなんだか可愛かったので良し。
その後、基地司令官にも会わせて貰って、とりあえず事情説明は完了した。
最初はスパイかとも疑われたものだが、機体に乗っている最中に入れ替わるなんて出来ないし、ということでどうやらスパイ疑惑は免れたようだ。
よ、よかった…!


4.何とか受け入れて貰えましたが宿がありません。誰の家に泊まりますか?
それはもちろん相棒の家ですよ。
【小説ちっくな小話そのよん】
「ちょっと待て!」
ピクシーが待った、と手を上げている。
何があったかと言えば、居候させてもらう場所だ。
この世界であたしが知っている人といえばピクシー以外はベルカのエースとか(そもそも敵だ)イーグルアイだとか(声しか知らないし)、あとはPJだとかだ。
この中でピクシー以外に誰のところで居候させてもらえと?
やっぱりここは腐女子の本能に任せてピクシーしか居ないでしょう!(まて)
「事情知ってるのってピクシー以外だと司令官の人しか居ないし。そもそもあたし此処のことほとんど知らないのに一人にされても困るし…。」
「う…だがなあ、常識を考えろ。」
難しい顔で答えるピクシー。でも声に少し迷いが出ているのはわかっている。
あともう一押し!
「それに、いつ元に戻るかもわからないのにピクシー以外の人のとこ居たらサイファーさんだって困るんじゃない?」
ひっさつのいちげき!
実はサイファーが使っていた部屋をあたしが使えば良いだけなのだが、そのことまで頭の回っていないピクシーはがっくりとうなだれて「好きにしろ」と承諾したのだった。


5.貴方がこの世界で必ずやりたい事は?
必ずやりたいこと…うーん、記念写真撮影?
【小説ちっくな小話そのご】
「え?何?」
突然のPJの言葉に、あたしは首を傾げた。
基地の傭兵仲間には「サイファーと双子の臨時傭兵」として伝えられているので、PJとも会話するようになったのだ。
「うちの基地に来た記念に何かやっておきたい事とかないんスか?って聞いたんですよ。」
「やっておきたいこと…ねえ…。」
臨時、ということでいつ居なくなるか分からないからこその言葉だったのだろう。
あたしはうーん、と考えて、ふと閃いた。
「写真だ!」
「写真っすか?」
「そうそう。記念って言ったら写真でしょ。あ!ピークシー!ちょっと来て来てー!」
都合良く通りかかったピクシーに声をかければ、やれやれ、とでも言いたげな表情でこちらに歩いてくる。
「どうしたんだ?」
「ここに来た記念に、写真でも撮ろうと思って!」
「へぇ…良いんじゃないか?」
ピクシーも快諾したことだし、ということで早速購買からカメラを買ってきた。
お金はPJ支払いで。いや、なんか率先して払ってくれたので。
というかPJは彼女放置であたしにばっか構ってて愛想つかされないのだろうか?
ともあれ、カメラを確保したあたしはPJと撮ってみたりピクシーと撮ってみたり非常に充実した時間を過ごさせていただいた。
というか撮り終わってみたら、現像までこの基地で出来るのか、と衝撃を受けた。
いやまあ、手元にすぐ届いたので嬉しいのですけども。
イーグルを背景に撮った写真はこれからの宝物に間違いない。


6.貴方は元の世界に戻れる事になりました。どうしますか?
と、ともかくピクシーのドッグタグをゲットしてからじゃないと帰るに帰れない!
【小説ちっくな小話そのろく】
どうやら帰れることになったらしい。
ピクシーを探してみれば、なにやら自室で届いてきたらしい何かをいじっていた。
「ピクシーさんピクシーさん。」
「なんだ?今更さん付けなんて気持ち悪いぞ。」
あたしの呼びかけにピクシーはそう答えつつもきちんとこちらを向いてくれた。
ていうか気持ち悪いって!ひど!
まあこれも仲良くなれたことの証だと思えば良いんだろうけど。
「なんか帰れることになったみたいなのですよ。」
「本当か?」
驚いたように声を上げるピクシーに、あたしは頷いた。
「そーれーでー、モノは相談なんだけど…。」
「?」
「そのドッグタグをあたしに…!代わりにこのドッグタグを…ってこれはサイファーのだー!」
ああ、なんてことだ。
交換しようにもこれはサイファーのだから勝手に交換するわけにもいかない…!
ノオオオオと頭を抱えるあたしにピクシーは思わずといった感じに笑った。
「ほら。」
ぽん、と渡されたのはシルバーのチェーンのドッグタグ。
ちゃらりと音を立てた二枚のタグ、そこに書かれた名前は…あたしの名前?
「え、これ…。」
「さっき届いたばかりだったんだ。丁度良かったな。」
なんて言って、ピクシーはあたしの手からそのドッグタグを手に取り、自分のチェーンから一枚外してあたしの一枚と交換をした。
こ、こんなに幸せで良いんですか…っ!?
「なくすなよ。」
「あ、ありがとう…っ!」
予想外のサプライズに喜ぶよりも先にびっくりしてしまった。
ていうかピクシーいいひと…!
ピクシーの良い人さ加減に感動しながら、お別れとなったのでした。


7.おかえりなさい。次の人をどの世界にトリップさせますか?
あぁ…幸せ空間から帰ってきてしまった。
うっかりピクシー夢ちっくになりました。あれえ(笑)?
これからピクシー達は臨界点やらなにやらを経験していくのね…と切なくなりつつ次のご指名をば!

◆ゆの様【はちみつ印。
→「幻想水滸伝(シリーズ中お好きな時代)」へトリップどうぞ!

◆美春様【夢、たんたんと。
→「東京魔人学園(シリーズ中お好きな時代)」へトリップどうぞ!

あとはお好きな方お持ち帰り下さいな。
【回答日2006/06/19】